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町田顕彦さん
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工房にて
二人のトークは、工房の成り立ち、設備、教室、周囲の環境から日本の特色へ。緑豊かな工房の環境や、作品が日常に溶け込む「道具」として求められる日本の特徴は、貴島雄太朗のガラス作品作りにどのように影響しているのでしょうか。
町田顕彦|MACHIDA Akihiko
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貴島雄太朗|KIJIMA Yutaro
ガラス作家|Glass Artist
1964年東京都生まれ。明治大学商学部卒業後、損害保険会社勤務のかたわら1992年吹きガラスを始める。
編集 高多 留美|TAKATA Rumi
写真 竹花|TAKEHANA
ディレクション 千葉 泉|CHIBA Izumi
吹きガラス工房として独立
町田
会社勤めされている頃に吹きガラスをはじめられたんですよね。
貴島
吹きガラスは言ってみればスポーツ、身体をすごく使うんです。金融系サラリーマンだったからその対比がすごい。作業の内容もだけど人種も全然違っていて面白かったですね。両極端を見るような感じでした。
町田
お仕事との両立から独立しようと思うきっかけのようなものはあったのでしょうか?
貴島
最初は通っていた教室の月謝の計算からなんです。ふたつみっつと掛けもちでやると相当つぎ込んじゃうことになる、けっして安くないんですよ。工房についての知恵もついてきて、仲間を集めてやれば割り勘でできるんじゃないかなと思ったわけです。幸い自宅にスペースがあったので仮設プレハブを建てて、6人の仲間に声をかけてやりました。今でもつき合いのある仲間ですね。
緑に囲まれた環境でのガラス作り
町田
東京とは思えないような、緑に囲まれた工房ですよね。
貴島
環境は関係ないと思っていたんです。自分の作るものにそんなに影響ないだろうなと。でもこうやって振り返ってみるとやっぱりありますね。うん。
町田
外見ると、本当に緑ですね。貴重な植物もあったり?
貴島
野草みたいなのが生えていますから。管理らしい管理はしていないですが、落ち葉が大変。何もしないわけにはいかない量なんですよ。
町田
チェーンソー、買ったとか(笑)
貴島
買いましたよ、やらかしちゃいました。枝をチェーンソーで小割りにしてごみに出す、そんな感じです。裏の松を落としたの、植木屋さんがもっていかないから庭の隅に置いてあります。
町田
薪ストーブとかは?
貴島
工房を支える設備
町田
個人の工房で必要な設備ってなんでしょうか?
貴島
生原料からガラスを作るための「溶解炉」ですね。熱源は自由にできるので、工場だと重油、個人工房だと都市ガスやプロパンガスです。近年はエコっていう観点から電気を使う人も増えています。一度溶かせば、あとは巻き取って膨らませるという作業ができます。
町田
確かもうひとつありますよね?
貴島
「加熱炉」ですね。作業するときに、溶解炉だけだと複数人で使う時に、ガラスが冷めた時の再加熱ができないんです。なので別途、加熱炉も設置します。
町田
溶解炉にはどろどろに溶けたガラスが入ってて……
貴島
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