Glass Talk 02

knulpAA gallery 町田顕彦さん

HOME > GLASS TALK 02|PAGE4

Glass Talk 02

町田顕彦さん
knulpAA gallery

HOME > GLASS TALK 02|PAGE4

美術と民藝の狭間で

町田

特に日本の場合、ギャラリーといえども、工業的・美術的なものだけだとなかなか売れないということはないですか?

貴島

そうですよね。

町田

それを食器とか、使う道具に落とし込んでいかないといけない。最近は特にそういうのがあると思うんですが、そのあたりは何か意識されていますか?

貴島

あると思いますね。ギャラリーで展示させてもらい始めた頃も、売り上げを作るために、どうやったら手にとってもらえるかな、と。

町田

もともと日本はどちらかというと生活で使えるものが……

貴島

素地はあるじゃないですか。茶の湯だって、民藝の世界だってそうですし。それはやっぱり日本の特徴ですよね。

町田

うんうん。

貴島

アメリカとか外国のコレクターたちは、どんな素敵なカップがあってもケースの中に仕舞ってますから。使ってないですからね。

町田

日本独特ですね。

貴島

使うのは、そうですね。

町田

お客さんも、何か使えるかっていらっしゃるから。その高台がついてる茶器みたいな湯のみ、すごく使いやすいです。料理を盛りつけたくなるような。

貴島

なりますね。

町田

最近、中国とか台湾のお客様が買ってくださって、実際に盛りつけている写真を送ってくださるんです。すごくきれいですね。

貴島

それに救われています。だから単価も上げられないのだけど、逆にそれで買ってもらえるから生きていけるんですよね。そこが外国とは違います。

町田

向こうのガラス作家の人たちは大変なんですか?

貴島

そういう部分では、すごく景気に左右されていると思います。アメリカの西海岸の作家さんたちも、始めてからあっという間に潰れたりしてます。苦労されていると思いますね。

町田

どちらかというと美術工芸扱い?

貴島

完全に美術ですね。

町田

削紋に関しては、夏は涼しげだし冬は凛とした感じもあるから、季節にも左右されない気がします。

貴島

近年はそうかもしれませんね。若い人たちを見ているとあまり関係ないように感じます。僕はどちらかというと高く値段設定しているので、購買層も高めになります。そうなると季節感がないのはだめなんです、まだね。だから展示も春夏にお願いしています。これからはまた変わってくるのだと思うのですが。

町田

個展は、この年はこうしてみよう、とかなんとなくあったりはしますか?

貴島

何となくはあります。言葉にはしづらいですけど。

町田

色つきのものもありましたね。最近は削紋が。

貴島

手間はかかりますが。あまりあれこれ手をだすよりは、こう潔くなっていく感じで。

町田

統一感ですね。

展示予定をお知らせ致します
Get updates about next exhibitions